卒業論文を書くとき、引用のルールに悩むことはありませんか?
「どこまでが引用?」「どうやって正しく書けばいい?」と疑問に感じる方も多いはずです。
引用のルールを守らないと、評価に影響するだけでなく、著作権の問題に発展することも。
この記事では、卒論の引用ルールをわかりやすく解説し、具体的な書き方や注意点を紹介します。
卒業論文の引用の種類
卒業論文では、他人の文章やアイデアを使う際に「引用」を行います。
引用には大きく分けて「直接引用」と「間接引用」の2種類があります。
それぞれの特徴と使い方をしっかり理解して、正しく使いましょう。
直接引用とは?
直接引用は、他人の文章をそのままの形で引用する方法です。
元の文章を一字一句変えずに使います。
主に次のような場面で使用します。
・原文の表現が特に重要な場合
例:有名な言葉や専門用語が含まれている場合。
・正確な情報が求められる場合
例:統計データや法的文書など。
直接引用を行う際は、引用符(「」や””)で囲み、どこから引用したのかを明確に示します。
例:
「日本の高齢化率は2022年に29.1%に達した」(厚生労働省, 2022年)。
間接引用とは?
間接引用は、他人の考えや意見を自分の言葉でまとめて引用する方法です。
間接引用した場合は、最後に参考文献リストのところに載せましょう。
次のような場面で使われます。
・自分の意見に沿って要点を整理したい場合
例:長い文章を簡潔にまとめるとき。
・自分の言葉で説明を加えたい場合
例:引用内容を詳しく解説したいとき。
間接引用では、「〇〇によれば」や「〇〇が指摘しているように」といった表現を用い、誰の意見なのかを明記します。
例:
厚生労働省によれば、日本の高齢化率は2022年に約30%に達した。
卒業論文の引用の基本ルール
卒業論文で引用を行う際には、正確な出典情報を記載する必要があります。
本やウェブサイトの場合、それぞれ必要な情報が異なるため、具体的に見ていきましょう。
本の引用ルール
本を引用するときは、以下の情報を含める必要があります。
- 著者名
- 本のタイトル
- 出版社名
- 出版年
- 引用したページ番号(引用元の具体的な箇所を明記する)
・参考文献リストに記載する場合の例
山田太郎. 日本史と自然. 講談社, 2021, p.15.
※著者名. 本のタイトル. 出版社名, 出版年, 引用したページ番号. という形で記載する。
上記では、山田太郎さんが書いた『日本史と自然』という本の15ページから引用しています。
このように、著者名、タイトル、出版社、出版年、ページ番号を明記することで、正確な出典情報が伝わります。
論文の引用ルール
論文を引用するときは、以下の情報を含める必要があります。
- 著者名
- 論文タイトル
- 雑誌名(または掲載媒体名)
- 出版年
- 巻数(号数)
- 引用したページ番号
・参考文献リストの例
山本花子. 環境問題と国民意識. 社会学研究, 2021, 45(2), p.34-56.
※著者名. 論文タイトル. 雑誌名, 出版年, 巻数(号数), 引用したページ番号. という形で記載する。
サイトの引用ルール
ウェブサイトを引用するときは、次の情報を記載します。
- 著者名または運営者名
- 記事のタイトル(そのページの名前)
- ウェブサイトのタイトル(サイト全体の名前)
- 出版年(記事が公開された日付)
- URL(ウェブページのアドレス)
- 閲覧日(そのページを参照した日)
・参考文献リストに記載する場合の例
環境省. ”地球温暖化の現状”.環境省公式サイト.2024-11-1, https://www.env.go.jp/, (参照 2024-12-6日)
※著者名または運営者名. ”記事のタイトル”.ウェブサイトのタイトル.出版年, URL, (参照 閲覧日) という形で記載する。
卒業論文で引用するときの注意点
卒業論文で他人の文章やアイデアを使う場合、他人の意見を自分のものとして書かないようにしましょう。
卒業論文では、他人の文章やアイデアを少し文言を変えて自分の意見のように書くことはルール違反です。
これを「盗用」といい、学術の世界では非常に重い問題とされています。
以下は、やってはいけない例です。
- 他人の文章を言い回しだけ変えて書き、自分の意見のように見せる。
- 引用元を示さずに「自分の考え」として記載する。
これを避けるには、引用する場合は必ず出典を明記し、引用として示すことが大切です。
正しい引用を行うことで、論文の信頼性を高めるだけでなく、盗用や不正行為を防ぐことができます。
卒業論文の引用の書き方のまとめ
卒業論文の引用ルールは、他人の文章や意見を正確に示すために必須です。
引用には「直接引用」と「間接引用」の2種類があります。
直接引用は原文をそのまま使用し、引用符で囲んで出典を明記します。
間接引用は内容を自分の言葉で要約し、出典を示します。
引用時は、著者名、タイトル、出版年、ページ番号(またはURLと閲覧日)など必要情報を記載します。
他人の意見を自分のものとして書く「盗用」は厳禁で、適切な引用が論文の信頼性を高めます。