卒業論文の分析方法がわからなくて悩んでいませんか?
初めての卒論作成では、データの整理や分析の進め方が難しく感じることが多いですよね。
正しい手順やコツを知らないと、時間だけが過ぎてしまうことも。
本記事では、そんな悩みを持つあなたに向けて、卒論の分析方法をわかりやすく解説します。
読み終えるころには、分析の基本がしっかり理解でき、自信を持って論文を進められるようになりますよ。
卒業論文で分析を行う目的とは?
卒業論文で分析を行う目的は、ただデータや情報を集めるだけではなく、そこから何か意味のある結論や新しい視点を見つけ出すことです。
例えば、アンケート結果や実験データ、他の研究の文献などを集めただけでは、単なる「情報の集まり」に過ぎません。
しかし、それらをしっかり分析することで、「なぜそのデータが得られたのか」「データからどんなことがわかるのか」といった意味や原因を見つけ出すことができます。
具体的な目的として、以下の3つが挙げられます。
自分の考えを根拠づける
卒業論文では、自分の仮説や考えをしっかりと証明する必要があります。
例えば「若者はSNSの使用時間が長い傾向にある」という仮説を立てたとします。
この仮説を証明するために、実際にアンケート調査や統計データを分析し、仮説が正しいかどうかを判断します。
分析を通して、結論に具体的な根拠が加わることで、読者が納得しやすい内容になります。
新しい発見をする
分析は、ただ「わかっていること」をまとめるだけではありません。
データを詳しく調べることで、新しい発見が得られることもあります。
例えば、アンケートの結果を分析してみると、「SNSの使用頻度が多い人ほど、情報収集が得意」というような、新たな傾向やパターンが見つかるかもしれません。
このように、データを掘り下げることで、新しい視点を生み出すのも分析の重要な目的です。
課題や問題点を見つける
分析を通じて、データから課題や問題点を発見することも重要です。
例えば、「高校生の勉強時間とスマホの使用時間の関係」を調べたときに、勉強時間が短い学生ほどスマホを長時間使っていることが分かれば、それは「スマホの使いすぎが勉強に影響している」という問題点に気づけるきっかけになります。
こうした発見は、将来的な改善策や新たな研究課題の提案にもつながります。
以上のように、卒業論文で分析を行うことは、単なるデータ収集や結果の羅列にとどまらず、仮説を裏付けたり新たな発見をしたり、課題を見つけたりするために大切な作業です。
卒業論文のよく使われる分析の種類と使い方
卒業論文を書くうえで、「どんな分析方法を使えばいいのかわからない…」と迷っていませんか?
分析方法にはいくつか種類があり、それぞれ目的やデータの特徴によって使い分けることが必要です。
この記事では、卒業論文でよく使われる分析の特徴と使い方についてわかりやすく解説します。
どの分析方法が自分の研究テーマに合っているのか、またどのように活用すれば成果を引き出せるのか、具体例を交えて紹介していきます。
定量分析
定量分析とは、数値やデータを使って物事を分析する方法です。
この方法は、アンケートの回答や統計データ、実験の結果など、数字で表せる情報をもとにして「どのくらい」や「どれほどの割合で」といった具体的な数値を使って答えを導き出すことができます。
卒業論文では、仮説を確かめるための根拠を数字として示すためによく用いられます。
定量分析の具体例
例えば、「高校生が1日に使うスマホの時間と成績の関係」を調べたいとします。
この場合、以下のように進めます。
- データ収集:まず、アンケートなどを使って高校生の1日のスマホ使用時間と成績のデータを集めます。
- 集計:集めたデータを表やグラフにして、スマホの使用時間が長いほど成績が低いかどうかを確認します。
- 分析:例えば、スマホを3時間以上使う学生は成績が低い傾向にある、というようにパターンが見つかれば、それが分析結果の一つとなります。
定量分析の方法
卒業論文で定量分析を行う際には、以下の手順で進めると効果的です。
・目的をはっきりさせる
まずは何を明らかにしたいかをはっきりさせます。
たとえば、「スマホの使用時間が学力にどう影響するか」を調べたい、などの具体的な目的が必要です。
・データ収集
アンケート、実験、または公開されている統計データを使って、数値データを集めます。
質問項目やデータの収集方法も、目的に合わせて考えましょう。
・データの分析
収集したデータをもとに、平均値や割合、相関関係などを計算します。
たとえば、アンケート結果の回答を平均化する、使った時間ごとの成績分布を見るなどの方法が有効です。
・結論を導く
最後に、得られた数値をもとに結論をまとめます。
数字が示す意味をしっかりと考え、「どういうことがわかったのか」「どんな問題点があるか」などを結論づけます。
定量分析のメリット・デメリット
定量分析には、数字で明確に示せるため、説得力があるというメリットがあります。
また、誰が見ても同じ結果が得られるので、客観性も高く、論文での評価が上がりやすくなります。
しかし、数字だけでは「なぜその結果が出たのか」を深く掘り下げるのが難しい点がデメリットです。
例えば、「スマホの使用時間が多いと成績が下がる」結果が出ても、なぜそうなるのかという理由までは定量分析だけではわからないことが多いです。
その場合、定性分析(インタビューなど)を併用して、深い理解を目指すのも効果的です。
定量分析は、データを数値で示して論文に説得力を持たせたいときに非常に有効です。
定性分析
定性分析とは、数値ではなく、言葉や文章、イメージなど、定量的に測れないものを分析する方法です。
インタビューやアンケートの自由回答、観察記録、過去の研究文献など、数字では表しにくい「感じ方」「意見」「背景」などを理解し、深い洞察を得るために使われます。
卒業論文では、「なぜそうなるのか?」といった理由や背景を明らかにするために、定性分析がよく用いられます。
定性分析の具体例
たとえば、「高校生がスマホを長時間使う理由」について調べる場合、以下のように進めます。
- インタビューやアンケート:高校生に「なぜスマホを使うのか」「どんな時に使うのが好きか」などの質問をして、自由回答を集めます。
- 回答の内容を分類:例えば「暇つぶし」「友達とのやりとり」「勉強や調べもの」などの理由ごとに回答を分類します。
- 共通のパターンを見つける:高校生の回答をもとに、どんな理由や状況でスマホを使う人が多いのかを分析します。「友人との交流が目的」「ストレス解消に使うことが多い」などの傾向が見えてくることがあります。
定性分析の方法
卒業論文で定性分析を行う際には、以下の手順で進めると理解が深まります。
・テーマや目的を決める
まず「何を知りたいか」「どんな理由を見つけたいか」を決めます。
たとえば、「高校生がスマホを使う目的」や「社会人がテレワークで感じるメリットとデメリット」など、はっきりしたテーマが必要です。
・データ収集
インタビュー、アンケートの自由回答欄、または観察などを使ってデータを集めます。
観察をする場合、どのような場面や状況で見るかを決めておくとよいでしょう。
・データの整理
集めたデータを読み込み、内容やテーマごとに分類します。
たとえば、「ストレス解消」「友人との交流」などのカテゴリーに分けたり、似た意見をグループ化したりします。
・パターンを見つける
分類した内容から共通点やパターンを探し出し、「多くの人がこう感じている」という傾向をつかみます。
定性分析のメリット・デメリット
定性分析のメリットは、「なぜそう感じるのか」「どうしてそうなるのか」といった背景や理由を深く掘り下げて理解できることです。
人の考え方や感じ方は個々に違うため、定量的な数字では見えない部分を知ることができます。
たとえば、「スマホを長時間使うのは単に暇つぶしではなく、実は友人とのつながりを保ちたいから」というような意図が見えてくることもあります。
一方で、定性分析にはデメリットもあります。
それは、主観的なデータが多いため、分析者の見方によって結果が変わりやすいことです。
また、分析に時間がかかりやすく、多くのデータを集めるのも難しいことがあるため、定量分析と組み合わせて活用するのも効果的です。
定性分析は、数値では表せない人々の考えや行動の深層を知るために役立つ方法です。
時系列分析
時系列分析とは、時間の流れに沿ってデータを分析する方法です。
日ごと、月ごと、年ごとなど、時間の変化に応じてデータを集め、それがどのように変化しているのかを調べます。
卒業論文では、特定の現象や傾向が時間の経過とともにどう変わったかを示したいときに、時系列分析が役立ちます。
時系列分析の具体例
例えば、「日本の高校生のSNS利用時間が10年間でどう変わったか」を調べたい場合、以下のように進めます。
- データ収集:過去10年間のアンケート調査や統計データを集めます。各年ごとのSNS利用時間を調査することで、変化の様子を記録します。
- データの並べ替え:集めたデータを年ごとに並べ、利用時間の推移が一目でわかるようにグラフにまとめます。
- 変化のパターンを分析:例えば、2010年から2015年まで利用時間が少しずつ増えているが、2016年以降は急激に増えているといったパターンが見られれば、その原因や背景について考察することができます。
時系列分析の方法
卒業論文で時系列分析を行う際には、以下の手順を参考に進めてみましょう。
・テーマや仮説を立てる
まず、どのデータを使って何を明らかにしたいかを考えます。
例えば、「スマホ利用時間が年々増加している理由」を明らかにしたい場合、それが具体的なテーマとなります。
・データ収集
時間に沿ったデータを集めます。
学校の調査結果や公開されている統計データ、過去のアンケートなど、同じ内容が複数年にわたって集まっているものが理想です。
・データの視覚化
時系列のデータをわかりやすくするために、折れ線グラフや棒グラフなどで表現すると、変化の傾向が一目で理解できるようになります。
・分析と考察
データの変化に注目し、「なぜこの時期に変化が起こったのか」などを深く考えます。
外部の要因(例えば新しいSNSの登場やスマホの普及)なども調べて、データの変動の理由を明らかにします。
時系列分析のメリット・デメリット
時系列分析のメリットは、時間とともに変化するデータの傾向を捉えやすいことです。
データを並べて変化を追うことで、長期的な動きや季節ごとのパターンなどが見えてきます。
例えば、SNS利用時間が毎年どのように増加しているかを示すことで、将来の傾向を予測するのにも役立つでしょう。
一方で、時系列分析にはデメリットもあります。
それは、データが揃っていないと正確な分析が難しいことです。
例えば、ある年のデータが抜けていると、そこに何が起こったかがわからなくなるため、予測や結論が不正確になってしまうことがあります。
また、単にデータが増減しただけでは、その背景にある理由を把握しにくい場合もあるため、別の分析方法(例えば定量分析や定性分析)と組み合わせて使うと効果的です。
時系列分析は、時間の変化に焦点を当てることで物事の流れや傾向を明らかにし、データに意味を与える大切な方法です。
卒業論文の分析方法がわからない!正しいやり方を解説!のまとめ
卒業論文の分析方法には、目的に合わせた「定量分析」「定性分析」「時系列分析」があります。
定量分析は数字で表し、説得力のあるデータを提供するための方法で、アンケートや統計データに基づきます。
定性分析は言葉や背景を深掘りし、なぜその結果が出たかを探るための方法です。
時系列分析は、時間の経過による変化を追うことで、傾向や将来の予測に役立ちます。
各分析方法の特性を理解し、自分の研究テーマに合った方法を選ぶことが、論文の完成度を上げるポイントです。